ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」 vs パナソニック「HDC-TM90」 vs キヤノン「iVIS HF M43」

Part1 カメラまかせでどこまでキレイに撮れる? 画質比較

3機種の基本的な撮影性能・機能を紹介したうえで、「人物」「風景」「夜景」というシーン別に、撮影シーン自動認識機能を使ってフルオート撮影したサンプル動画を掲載する。

3機種の基本的な撮影性能・機能をチェック

各機種の基本的な撮影性能・機能

機種 価格.com
最安価格(※)
撮像素子 ズームレンズ 内蔵メモリー
ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」 69,876円 裏面照射型CMOSセンサー(1/2.88型、総画素数665万画素) 光学10倍(26.3~263mm/F1.8-3.4) 64GB
パナソニック「HDC-TM90」 64,490円 MOSセンサー(1/4.1型、総画素数332万画素) 光学21倍(28~729mm/F1.8-3.5) 64GB
キヤノン「iVIS HF M43」 58,400円 CMOSセンサー(1/3型、総画素237万画素) 光学10倍(43.6~436mm /F1.8-3.0) 64GB

※価格.com最安価格は2011年4月5日現在のものです


ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」

「ハンディカム HDR-CX560V」のボディサイズは62(幅)×67(高さ)×133.5(奥行)mm)で、重量は約435g(いずれも付属バッテリー装着時)。今 回紹介する3機種の中では唯一、5.1chサラウンドの音声記録に対応している。カラーバリエーションとしてシャンパンシルバー、ブラック、ボルドーブラ ウンの3色が用意される
16:9比率の新開発「Exmor R」を搭載

16:9比率を採用した新開発の裏面照射型CMOSセンサー
「ハンディカム HDR-CX560V」の画質スペックにおける最大の特徴は、撮像素子に、16:9比率の裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R」(1/2.88型、総画素数665万画素)を新たに採用したこと。従来は4:3比率のセンサーを採用していたが、16:9比率になったことでセンサー 上下部分の未使用領域がなくなり、ハイビジョン動画撮影時の有効画素数が415万画素から614万画素に向上したのがポイントだ。

3機種の中でもっとも広角寄り(26.3mm)での撮影が可能な光学10倍ズームレンズを採用

広角26.3mmでの撮影が可能な光学10倍ズームレンズ
レンズには、35mm判換算で広角26.3mm(16:9撮影時)に対応する光学10倍ズーム「Gレンズ」を搭載。特殊低分散レンズや、不要な反射を低減 するコーティングを施した複合非球面レンズを装備するほか、絞り羽根の形状には、6枚羽根の虹彩絞りを採用する。なお、光学式手ブレ補正の「アクティブ モード」利用時には、画像劣化を抑えてズーム倍率を14倍まで向上できる「エクステンデッドズーム」を使用することができる。

「おまかせオート」は複数の項目を同時に認識するのが特徴。写真では、「マクロ」と「三脚」を認識している

90パターン対応の撮影シーン自動認識「おまかせオート」
「ハンディカム HDR-CX560V」は、撮影シーン自動認識機能(ビデオカメラが撮影シーンを判別して最適な画質設定を児童で選択してくれる機能)として、「顔」(人 物、赤ちゃん)、「シーン」(逆光、風景、スポットライト、夜景、マクロ、低照度)、「揺れ」(歩き、三脚)から、被写体やシーンにあわせて複数の項目を 認識する「おまかせオート」を搭載。計90パターンの組み合わせの中から、撮影状況にあわせて最適な設定を呼び出してくれる。


パナソニック「HDC-TM90」

「HDC-TM90」のボディサイズは50.5(幅)×63(高さ)×120(奥行)mmで、重量は約281g(いずれも 付属バッテリー装着時)。今回紹介する3機種の中でもっとも小型・軽量なボディに仕上がっている。カラーバリエーションはパールブラックとソリッドシル バーの2色

総画素数332万画素の1MOSセンサー
「HDC-TM90」は、RGB各色に専用センサーを用意する、パナソニック独自の3MOSセンサーではなく、単板の1MOSセンサー(1/4.1型、総画素数332万画素)を採用。動画・静止画ともに有効画素数は最大261万画素(16:9撮影時)となっている。

広角28mm&望遠729mmに対応する光学21倍ズームレンズ
レンズに、2つのズームレンズ群を備える「マルチアクチュエータレンズシステム」を採用することで、「HDC-TM90」は、コンパクトボディながらも、 35mm判換算で28~729mm(16:9撮影時)の焦点距離をカバーする光学21倍ズームを実現。3機種の中で、もっとも幅広い焦点距離での撮影が可 能となっている。また、超解像技術を活用する「iAズーム」利用時には、ハイビジョン画質での最大40倍ズーム撮影が可能だ。

コンパクトボディに広角28mmスタートの光学21倍ズームレンズを搭載 独自の「iAズーム」で、解像感を劣化させずに最大40倍までのズームが可能
「おまかせiA」は、本体内側の専用ボタンで選択可能

5種類のシーンに対応する撮影シーン自動認識「おまかせiA」
「HDC-TM90」は、「顔」「風景」「スポットライト」「ローライト」「ノーマル」の5種類の撮影シーンを認識する「おまかせiA」を搭載。シーン認識数だけを見ると、3機種の中ではやや見劣りするスペックとなっている。


キヤノン「iVIS HF M43」

「iVIS HF M43」のボディサイズは74(幅)×71(高さ)×137(奥行)で、重量は約420g(いずれも付属バッテリー装着時)。カラーバリエーションはブラック、シルバー、レッドの3色
動画撮影用にチューニングされた新しいCMOSセンサーを採用

あえて画素数を落として感度を向上させた新型センサー
「iVIS HF M43」の画質スペックでは、業務用ビデオカメラ「XF100」「XF105」と同様の「キヤノン HD CMOS PRO」センサー(1/3型、総画素237万画素)を搭載するのがトピック。従来と比べて総画素数をあえて少なくすることで、1画素あたりの受光面積が約 2.6倍拡大し、センサーの受光感度が向上したのが特徴だ。最低撮影照度約1.5ルクスという高感度撮影を実現している。

光学10倍ズームレンズを採用

広角43.6mmスタートの光学10倍ズームレンズ
レンズには、6角形虹彩絞りを採用した光学10倍ズーム「キヤノン HDビデオレンズ」(35mm判換算の焦点距離:43.6~436mm)を搭載。両面非球面レンズを2枚使用している。ただ、広角端が43.6mmとなっ ており、ワイドな撮影に対応していないのが残念なところ。

撮影シーン自動認識機能「こだわりオート」
「iVIS HF M43」は、「被写体」と「背景」を組み合わせた計38シーンを判別可能な、撮影シーン自動認識機能「こだわりオート」を搭載。「被写体」は、「人物」 「人物の動き」「人以外の被写体・風景」「近くの被写体」「テレマクロ」を認識。「背景」は、「明るい」「明るい・逆光」「青空を含む」「青空を含む・逆 光」「あざやか」「あざやか・逆光」「暗い」を認識する。このほか、「夕景」や「スポットライト」「夜景」の認識にも対応している。

「こだわりオート」は、本体上部の切り替えスイッチで選択できる

※以下に掲載するサンプル動画は、撮影シーン自動認識機能を使って、AVCHD形式の最高画質モードでフルオート撮影したフルハイビジョン映像を、 1920×1080ドットのWMV形式の動画(ビットレート12Mbps)にエンコードしたものになります。動画は映像のみで音声は未収録となっていま す。なお、サムネイル画像をクリックすると動画が再生されます。ご使用のパソコンの性能によっては再生できない場合がありますのでご了承ください。
※撮影は、撮影シーン自動認識機能を使ってオート撮影を行いました。測光モードは、選択可能な場合のみ評価測光を選択しています。

画質比較1 人物(順光・斜光)

撮影状況 左:順光下(太陽が被写体の前方にある状態)で青空や菜の花を背景にして撮影(三脚利用)。焦点距離は35mm判換算で40~50mm前後。
右:斜光下(太陽が被写体の前方・斜め上にある状態)で青空や木々を背景にして撮影(手持ち)。焦点距離は35mm判換算で50~60mm前後。

撮影シーン自動認識機能の結果

機種 認識結果
ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」 左:顔認識「人物」×シーン認識「風景」
右:顔認識「人物」
パナソニック「HDC-TM90」 左右とも:「顔」認識
キヤノン「iVIS HF M43」 左:被写体「人物」「人物の動き」×背景「青空を含む」
右:被写体「人物」×背景「明るい」

ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」

パナソニック「HDC-TM90」

キヤノン「iVIS HF M43」

ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」は、全体的にビビッドな仕上がりで、青空や菜の花が鮮明な色味で描写されているのが特徴。背景を「風景」として認識していない右のサンプル動画でも、肌色の赤みがもっとも強くなっている。

パナソニック「HDC-TM90」は、左右の動画ともに、ややアンダーめの露出。左のサンプル動画はマゼンタが強く、右のサンプル動画では青空がや やシアン寄りのカラーとなっており、状況によって青空の色味が大きく変化している。また、左のサンプル動画では、被写体が大きく動いているわけでもないの に、露出が細かく変化するのがやや気になるところ。なお、サンプル動画では3機種の中でもっともノイズが多く発生しているが、撮影動画(最高画質モードで 撮影)ではノイズはほとんど気にならない。

キヤノン「iVIS HF M43」は、3機種の中でもっとも明るい露出傾向となった。左のサンプル動画において背景に「青空」を認識しており、人物と背景の露出・色味がバランスよく仕上がっているのが印象的だ。

画質比較2 人物(半逆光・逆光)

撮影状況 左:半逆光下(太陽が被写体の斜め後方にある状況)で菜の花を背景にして撮影。焦点距離は35mm判換算で50mm前後。
右:逆光下(太陽が被写体の後方にある状態)で撮影。焦点距離は35mm判換算で70~80mm前後。

撮影シーン自動認識機能の結果

機種 認識結果
ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」 左:顔認識「人物」
右:顔認識「人物」×シーン認識「逆光」
パナソニック「HDC-TM90」 左右とも:「顔」認識
キヤノン「iVIS HF M43」 左:被写体「人物」×背景「あざやか」
右:被写体「人物」×背景「明るい・逆光」

※自動逆光補正の設定が可能な機種については、「オン」にして撮影した

ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」

パナソニック「HDC-TM90」

キヤノン「iVIS HF M43」

半逆光・逆光という難しい条件下での撮影となったためか、各機種で傾向が大きく異なった。

3機種の中で、もっとも明るい露出となったのが、パナソニック「HDC-TM90」。人物(順光・斜光)ではアンダーめの露出となったが、半逆光・ 逆光下ではまったく逆の結果となった。撮影シーン自動認識機能の中に「逆光」を認識する機能があるわけではないのだが、逆光気味の条件で人物を認識する と、とにかく明るく仕上げてくれるのだ。また、ややアンバー気味の色味で、明るい露出ながらも肌色がしっかりと残っているのも見逃せない。ここまで明るく 仕上げるのは好みの分かれるところだが、人物の顔を明るく描写してくれるのはポイントが高い。

キヤノン「iVIS HF M43」は、左のサンプル動画で「あざやか」を認識し、3機種の中で、もっともバランスのとれた、見た目に近い色味の動画に仕上がっている。このあたりの 処理のうまさは、さすがキヤノンと思わせるところ。ただ、2010年モデル「iVIS HF M31」などでも同様の傾向があったように、逆光下では、撮影シーンとして「逆光」も「人物」も、なかなか認識しないのが気になった。撮影場所を変えなが ら30秒程度の動画を3回撮影してみたが、人物を認識したりしなかったりを繰り返すことが多く、ピントが奥の背景に抜けてしまうこともあった。

いっぽうのソニー「ハンディカム HDR-CX560V」は、この条件での撮影では、露出、オートホワイトバランスともに精度がもう一歩という結果になった。撮影シーン自動認識機能では 「人物」も「逆光」も認識しているのだが、色かぶりや露出のバラつきが発生してしまっている。これは、「ハンディカム HDR-CX560V」だけに限らず、すべてのメーカーの機種に当てはまることなのだが、カメラが撮影シーンを認識したからといって、露出や色味が常に最 適に仕上がるわけではないということだ。

画質比較3 風景(斜光)

撮影状況 左:斜光下(太陽が被写体の前方・斜め上にある状態)で青空や建物を撮影。焦点距離は各機種の広角端となっている。
右:斜光下(太陽が被写体の前方・斜め上にある状態)で菜の花や青空を撮影。焦点距離は各機種の広角端となっている。

撮影シーン自動認識機能の結果

機種 認識結果
ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」 左右とも:シーン認識「風景」
パナソニック「HDC-TM90」 左右とも:「風景」認識
キヤノン「iVIS HF M43」 左:被写体「人以外の被写体・風景」×背景「青空を含む」
右:被写体「人以外の被写体・風景」×背景「あざやか」

ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」

パナソニック「HDC-TM90」

キヤノン「iVIS HF M43」

サンプル動画は、順光に近い斜光下という好条件で撮影したものとなり、3機種ともにキレイな映像に仕上がっている。

なかでも、ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」とキヤノン「iVIS HF M43」の結果が好印象。ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」は、人物のサンプル動画と同様に、ビビッドな色味となった。キヤノン「iVIS HF M43」と比べると、アンダーめの露出であることもあって、色が濃く表現されている。

キヤノン「iVIS HF M43」は、広角端が35mm判換算で43.6mmとなっているため、他の2機種と比べると画角が大きく異なっている。そのため、他機種と横並びでの比較はしにくいのだが、適正な露出でバランスのよい映像に仕上がっているのは間違いない。

パナソニック「HDC-TM90」は、明るめの露出ですっきりとした映像。やや緑かぶりしており、青空がシアン寄りになっているほか、菜の花の色味 も記憶色(人が頭の中で記憶している色のこと)とは異なるイメージとなっている。けっして悪い結果ではないのが、このあたりは好みの分かれるところだろ う。

画質比較4 夜景

撮影状況 左:左:点光源の多い夜景を撮影。焦点距離は各機種の広角端。
右:ライトアップされている建物を撮影。焦点距離は各機種の広角端。

撮影シーン自動認識機能の結果

機種 認識結果
ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」 左:シーン認識「夜景」
右:シーン認識アイコン表示されず
パナソニック「HDC-TM90」 左右とも:「ローライト」認識
キヤノン「iVIS HF M43」 左:被写体「人以外の被写体・風景」×背景「夜景」
右:被写体「人以外の被写体・風景」×背景「暗い」

ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」

パナソニック「HDC-TM90」

キヤノン「iVIS HF M43」

ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」は、撮影シーン自動認識機能で「夜景」を認識すると、とにかく露出を抑えて暗部を締める傾向にある。点光源の多い左のサンプル動画 では、全体的にノイズが少なく、雰囲気のある夜景に仕上がってはいるが、表示するディスプレイによっては「少し暗すぎる」と感じる方もいるのではないだろ うか。また、右のサンプル動画では、夜景を認識していないが、同じように暗めの映像となっている。夜景だけに限らず、暗いシーンでは無理に露出を上げない 傾向にあるようだ。ちなみに、右のサンプルにおいては、シーンモード「夜景」を手動設定して同じ被写体を撮影してみたが、さらにアンダーめの露出になっ た。

パナソニック「HDC-TM90」は、撮影シーン自動認識機能において「夜景」を認識する機能を備えていない。今回は、左右のサンプル動画ともに、 室内や夜など被写体が暗い場合に明るく撮影する「ローライト」というシーンを認識したのだが、暗部の階調を出すために感度が上がっており、解像感が全体的 に落ちてしまっている。暗部ノイズがやや目立つのも気になるところ。ただ、映像として見てみると、「このくらい明るいほうがいい」と判断する方もいるので はないだろうか。ちなみに、シーンモードで「夜景」を選択すると、もう少し露出を抑えて撮影することができる。

キヤノン「iVIS HF M43」は、撮影シーン自動認識機能で「夜景」を認識した際の結果が好印象。左のサンプル動画では「夜景」を認識しているのだが、露出が適正でメリハリの ある映像に仕上がっている。暗部ノイズが少ないのも高ポイントだ。ただ、右のサンプル動画では、「夜景」ではなく単に「暗い」シーンと判断したため、感度 が上がってしまいノイズが目立つ結果となった。こういった場合は、シーンモードで「夜景」を選択して撮影したいところだ。

Part1 カメラまかせでどこまでキレイに撮れる? Part2 “手ブレ”をホントに軽減できる? Part3 使って“便利で”“楽しい”機種はどれ?
特集内リンク

今回ピックアップした3機種

機種 価格.com
最安価格(※)
特徴
ソニー「ハンディカム HDR-CX560V」 69,876円 新開発の裏面照射型CMOSセンサーを採用するモデル。64GBメモリー内蔵
パナソニック「HDC-TM90」 64,490円 コンパクトボディに光学21倍ズームレンズを装備するモデル。64GBメモリー内蔵
キヤノン「iVIS HF M43」 58,400円 業務用モデルと同様の高感度センサーを搭載するモデル。64GBメモリー内蔵

※価格.com最安価格は2011年4月5日現在のものです

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